「8インチタブレットって結局iPad miniを選んでおけばいいんでしょ?」 8インチタブレット市場を見ていると、そんな雰囲気を感じます。Androidにも高性能な8インチタブレットはあるものの、Apple Pencilみたいな専用ペンが使えるモデルがいません。
そんな中、ようやく日本のAndroidタブレット市場にも、iPad miniの代替機となる存在が現れました。それが「Xiaomi Pad Mini」です。
価格が7万円台なので、当初は買う気がありませんてした。かといって、iPad mini に若干飽きてきた自分もいたため、思い切ってXiaomi Pad Mini(16GB/256GB)を購入。iPad miniに求めていたのはコンテンツ消費やメモ書き程度だったので、用途的にはXiaomi Pad Miniで代用できます。
しかし、Xiaomi Pad Miniは、本当にiPad miniよりも使いやすいタブレットなのか?それを確かめるべく、手持ちのiPad mini 第6世代とXiaomi Pad Miniはどんな違いがあるのか検証しました。
実際に乗り換えてみて、4つの点でiPad miniを上回っていることに気づきました。その一方で、Xiaomi Pad Miniを選ぶ前に知っておくべきデメリットも正直に語ります。
- iPad miniみたいに使えるAndroidタブレットが欲しい人
 - メモ帳代わりに使いたい人
 - Androidでも高品質な8インチタブレットが欲しい人
 
Xiaomi Pad MiniがiPad miniを上回る4つのメリット
高画質・高リフレッシュレートでコンテンツ消費が捗る
| Xiaomi Pad Mini | iPad mini | |
|---|---|---|
| 画面サイズ | 8.8インチ | 8.3インチ | 
| 解像度 | 3008×1880 | 2266×1488 | 
| リフレッシュレート | 最大165Hz | 最大60Hz | 
| 色域 | DCI-P3 | Display P3 | 
| 重さ | 326g | 293g | 
| スピーカー | デュアル | デュアル | 
| Dolby Atmos | 対応 | 非対応 | 
Xiaomi Pad MiniはiPad miniよりも高画質なディスプレイと、立体感のあるスピーカーを持っているのが魅力です。

私が今まで使った8インチのAndroidタブレットはフルHDだったので、Xiaomi Pad Miniの解像度の高さに驚きました。iPad miniと比べて明らかに高画質というわけではありませんが、全く引けを取らないレベルです。
つまり、iPad miniから乗り換えたとしても、品質の差でガッカリすることはほとんどありません。

Xiaomi Pad Miniはアスペクト比が16:10なので、動画を観たときの没入感が違います。明らかにiPad miniより見やすい。8.8インチのサイズは初めて触りましたが、思いのほか迫力があります。


電子書籍に関しても、iPad miniより表示される文字数が多く、なおかつ鮮明に表示されていて読みやすいと感じました。


ただ、色域に関しては好みが分かれるかもしれません。Xiaomi Pad Miniは暖色なのに対して、iPad miniは寒色です。どちらも色域が広いディスプレイのようですが、実際に比べてみるとiPad miniの方が自然かな?

とはいえ、Xiaomi Pad Miniで動画鑑賞や読書をしていて、色味が気になることはほとんどありません。ただ、編集作業をするならiPad miniの方が原色に近いので扱いやすいと感じました。

YAMAちなみに、本体設定からディスプレイの色を調整できるので、気に入らないと感じたら微調整してみるとよいでしょう。
次にリフレッシュレートですが、比べるまでもなくXiaomi Pad Miniの方がヌルヌルです。iPad miniは60Hzでも滑らかですが、流石に165HzのXiaomi Pad Miniと比べると差は歴然でした。

しかし、私はソシャゲをプレイしないため、正直そこまで恩恵は感じていません。むしろリフレッシュレートが高いとバッテリー消費が速くなるので、あえて下げるのもアリ。ただ、165Hzの方が手書きしたときの滑らかさは感じられます。
そしてスピーカーについて。Xiaomi Pad MiniのスピーカーはiPad miniに劣らないどころか、より立体感のある音です。Dolby Atmosによって「頭上から音が聴こえる」ような感覚になり、iPad miniよりも動画鑑賞が捗ります。
音楽鑑賞にも立体感が付け足されますが、少しばかり加工されたような音になるので、気になる人はOFFにした方がいいかもしれません。

メモ書き程度ならXiaomi Pad miniでも十分
今まで私はiPad miniをメモ帳として使っていましたが、これからはXiaomi Pad Miniに乗り換えても問題ないと感じます。というのも、メモ書き程度であれば、iPad miniとほとんど変わりない書きやすさだからです。

それどころか、物理ボタンを押せばペンの種類と色の切り替え、クイックメモやスクリーンショットも実行できます。ポインターボタンはあまり使いどころがありませんが、とにかく便利なペンです。
ちなみに、ペン先に一番近いボタンを長押しすると消しゴムに切り替わります。

YAMA少なくとも、Apple Pencil第2世代より多機能で使いやすいと感じました。
ただ、GoodNotesやNotabilityなど、手書き関連アプリはiPadの方が充実しています。AndroidタブレットでもGoodNotesは使えますが、いまいち挙動が良くない。なぜかペンシルのボタンを押しても消しゴムに切り替わらないので、実用的ではないと感じました。

という経緯もあり、私はXiaomi純正のメモアプリを使っています。至ってシンプルな作りですが、私にとっては充分です。OSの垣根を気にせず使うなら、マイクロソフトのOneNoteを使うのもアリでしょう。
バッテリー性能がiPad miniより優れている
| Xiaomi Pad Mini | iPad mini | |
|---|---|---|
| バッテリー容量 | 約7500mAh | 約5000mAh | 
| 充電速度 | 最大67W | 最大20W | 
なによりも充電速度が段違い。Ankerの充電器を使って比べてみたところ、iPad miniは10W前後の出力なので、10分経って約5%しか充電されません。一方で、Xiaomi Pad Miniは20W前後出るため、10分で約10%充電できました。明らかに速い。

注意点として、サードパーティ製の充電器を使うと充電速度が制限されるようなので、Xiaomi製の充電器かモバイルバッテリーでないと最大67Wの出力になりません。

というわけで、Xiaomiのモバイルバッテリーを使ってみたところ、30%の状態から90%まで充電するのに約40分でした。1時間もかかっていないのは凄い。サードパーティ製品でも実用的な速さですが、より速度を出したいならXiaomiのモバイルバッテリーがおすすめです。

ちなみに、Xiaomi Pad Miniは18Wのリバース充電もできるため、いざという時のモバイルバッテリーになります。ただし、iPhoneは非対応なので注意が必要です。
YAMAまあ、実際に使う場面はほとんどなさそうですが。
デュアルUSBポートで拡張性が高まる
Xiaomi Pad Miniには2つのUSB-Cポートがあります。当初は「正直、2つも必要なのか?」とその意味が見いだせませんでした。
しかし、全く使わないのも勿体ないと考え、私なりに活用方法を探してみました。
まずはシンプルに、充電しながら有線キーボードを使う方法です。特に自作キーボードみたいなニッチな製品は無線接続に対応していないので、有線接続が基本です。

iPad miniだとUSBハブを使わないと充電しながら有線キーボードを使えませんが、Xiaomi Pad Miniならその必要がありません。
SDカードリーダーや外付けSSDを使いたいとき、バッテリーが切れそうな場面でも充電しながら使えるのは大きな利点です。

また、Xiaomi Pad Miniは映像出力にも対応しています。ディスプレイのアスペクト比が16:10のおかげで、同じく16:10のモニターと接続したときに違和感が少ないのはメリットです。
ただし、ミラーリング表示なので、別々のディスプレイとして表示できない点に注意しましょう。

他にも、ポータブルDACを接続して、音楽再生デバイスとして使うというスタイルも。

このようにアイデア次第で使い道が広がるのがデュアルUSBポートのメリットです。
ただし、短辺はUSB2.0で長辺はUSB3.0と、USB規格が異なります。短辺のポートを使うと、転送速度が遅くなるし、映像出力もできないので注意が必要です。なお、充電速度はどちらのポートでも変わりません。

YAMAどうせなら2つともUSB3.0で統一してほしかったというのが正直な感想です。
Xiaomi Pad Miniを使っていてネックなところ
専用アクセサリーが少ない
これはAndroidあるあるですが、Apple製品と比べて専用アクセサリーの数が少なすぎます。iPadならPITAKAやNIMASOなど見覚えのあるメーカーが揃っていますが、Xiaomi Pad Miniに関してはマイナーな製品ばかりです。
コスパは微妙かもしれない
クリエイティブで使うなら、正直言ってiPad miniの方が優勢です。OSの最適化やアクセサリーの豊富さ、iPad専用のアプリも多数あります。ハードウェアではiPad miniに勝っている部分が多いものの、ソフトウェアはまだiPadの方が使いやすい印象です。

ゲーム用途で使うにしても、もう少し予算を出せばREDMAGIC Astraを買えます。もしくはLenovo Legion Tabの方が、スペック的にはXiaomi Pad Miniよりコスパが高いと感じるかもしれません。
つまり、Xiaomi Pad Miniは器用貧乏なタブレットでもあるでしょう。価格も高めなので、コスパはちょっと微妙かもしれない。

じゃあXiaomi Pad Miniは結局のところどんな人に向いているデバイスなのか?それは、「コンテンツ消費だけでなく、軽くクリエイティブにも使いたい」という、絶妙なバランスの8インチAndroidタブレットが欲しい人です。
ほとんどの用途で平均点以上を出せる性能でもあり、多機能な専用ペンもある。確かに価格は高い…が、格安Androidタブレットよりは信頼性があります。
YAMAそもそも、8インチタブレットで滑らかに手書きできるモデルは少ないと思います。それだけでも、Xiaomi Pad Miniを選ぶ価値はあるでしょう。
microSDスロットとGPS非搭載なのがデメリット
AndroidタブレットといえばmicroSDカード対応というイメージがありますが、Xiaomi PadシリーズはmicroSDカードスロットを採用しないようです。とはいえ、私の場合はタブレットに画像と動画を保存しまくるわけではないので、あまり気にしていません。
また、Cellularモデルを販売していないのもデメリットです。Wi-FiモデルはGPSを搭載しておらず、正確に現在地を表示できないため、カーナビ用途で使いにくいのが弱点になります。
【結論】Xiaomi Pad MiniはiPad miniにこだわらない人にとって最適なタブレット
クリエイティブにもゲームにも極端に寄らない、「中立的な使い方」をしたい自分にとって、Xiaomi Pad Miniはまさにちょうどいいデバイスだと感じます。

iPad miniも魅力的なデバイスなのですが、Xiaomi Pad Miniの登場により、「iPad miniにこだわらなくてもいいんじゃないか」と思わされました。
Xiaomi Pad Miniにも多機能な専用ペンがあって、ディスプレイとスピーカー性能も遜色なし。バッテリー性能もXiaomi Pad Miniの方が上だから、日常的に使いやすいタブレットと言えます。
OSの最適化については、iPadOSの方が優れている部分もあるでしょう。それでも、Xiaomi Pad Miniでも普段使いでストレスはありません。

YAMAそもそも8インチタブレットでゲームや動画編集などをやらない自分にとっては、むしろXiaomi Pad Miniの方が最適なのだと確信しています。
ちなみに、HeadwolfやALLDOCUBEという格安タブレットを選ぶ選択肢もありました。悩みましたが、専用ペンがないしスピーカー性能が不安…ということで、Xiaomi Pad Miniを選んだ次第です。

今回は半ば「挑戦的」な意味を込めてXiaomi Pad Miniに乗り換えました。その結果、iPad miniじゃなくても満足できるAndroidタブレットに出会えたので満足しています。
使用しているアクセサリー紹介
Xiaomi Pad MiniのQ&A
- AnTuTuベンチマークスコアやバッテリーテストの結果はどれくらい?
 - 
スコアは2607259でした。
 - 専用ペンの磁力は強い?
 - 
そう簡単には外れないほどの磁力です。体感ではiPad miniと同じくらい。
 - Cellularモデルはある?
 - 
Wi-Fiモデルのみです。
 - スピーカーの数は?
 - 
左右に1つずつなので、合計2つです。
 - バイパス充電には対応している?
 - 
非対応です。
 - AI字幕機能はどんな感じ?
 - 
簡単な英語ならスムーズに翻訳してくれます。試しに海外のVtuberの配信でAI字幕を使ってみましたが、なんとなく何を話しているか理解できるレベルの翻訳です。AIらしい単調な文章ではあるものの、便利だと思います。
 - かこって検索に対応している?
 - 
Geminiが標準機能として搭載されているので使えます。
 - 付属品は?
 - 
67W充電器とケーブルが付いています。
 

